▼自然環境再生と「野の遊び・野の学び・野の仕事」のつながりの生成
持続可能な形で自然の素材やエネルギーを活用して、活力ある地域文化を保持している伝統的コミュニティを見ると、地域社会と自然との結びつきを集約するコスモロジーに支えられた祭や儀礼を中心にして、「野の遊び」、「野の学び」、「野の仕事」が不可分な形でつながっていることがわかる。
伝統的コミュニティとのつながりが薄い都市住民が多い、横浜では、新住民の居住歴が長くなるとともに、周囲の農地や里山、せせらぎ、干潟などの自然の再生、保全のためには、自然の素材やエネルギーを持続可能な形で利用する文化をもたなくてはいけないことに気づきはじめている。
それは、言い換えれば、「野の遊び」、「野の学び」、「野の仕事」のつながりを新たな形でどうつくり出していくか、という課題だ。
▼市外の職場を退職した人材の市内での活用
横浜市から市外に通勤する人が多い。しかし、この人たちが最終的に退職する前に、企業の中での自分の「先が見える」ようになるとともに、それまで関心がなかった居住地域に目を向けはじめる人が多くなる。
団塊の世代が50歳代半ばになり、大企業のオフィスに通勤していた人も、関連企業への出向などが増え、新たな働き方を検討しはじめる人も増えている。こうした人の中には高度な職能をもつ人も多いので、それをうまく活かすことで、横浜市内の事業活動(営利および非営利)の革新や発展のチャンスを拡げることができるだろう。
市内の事業活動と中高年人材を結びつけるアウトプレイスメント機能が求められる。
▼持続可能な地域づくりのパイロット・プロジェクト
自然エネルギーの利用、資源のリサイクル、天然素材の活用、エコ住宅の試み、物流や交通システムの改革などを組み合わせた持続可能な地域づくりは、地域の風土や地形、施設配置、文化などによって、有効な接近方法が異なる。
また、利用可能な要素技術は多様化しているが、地域の条件に合った組み合わせを探り、高い効果を上げるためのブレークスルー課題は何かを明かにするには、パイロット・プロジェクトをつくり、試行錯誤を重ねていくことが不可欠だ。良い形のパイロット・プロジェクトの積み重ねの中から、持続可能な地域づくりへの突破口が開けてくるし、この分野を先導する企業や人材も育ってくると考えられる。
▼先導的コミュニティ・ビジネス
横浜市の「中期政策プラン」では、「ベンチャー・コミュニティ・ビジネス」という言葉が使われている。「ベンチャー・ビジネス」の育成も必要だが、例えば「持続可能な地域づくり」のように、新たな局面を開拓していくための戦略的に課題について、突破口づくりを先導するという意味での「先導的コミュニティ・ビジネス」の育成を目指すことが望まれる。
それによって、「ニーズ変化に対応する新産業の育成」の可能性も拓けてくるだろう。
▼コミュニティのサービス機能の強化
今後、少子高齢化や世帯規模の縮小にともなう、家族外のサービスへのニーズが高くなっていく。そして、ニーズに応えていくには、営利事業、NPOなどの非営利事業などサービスの中味の多様化を図っていくとともに、地域類型ごとに、サービスのどのような組み合わせが望ましいのかを明かにしていく必要がある。
▼地域に根ざす大学の人材育成機能
今回のシンポジウムでも、第2部のパネル・ディスカッションで、地域との結びつきの強い公立大学の専門職養成機能のひとつとして、NPOなどで働く専門的職能をもつ人材(コミュニティワーカー)の育成をめざすべきだという提案がされている。
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