第8位
ひかりの素足/虔十公園林/セロ弾きのゴーシュ

1位×2票:3位×1票 / 1位×1票:2位×2票 / 2位×1票:3位×5票
(7 points)

『ひかりの素足』
●私は仏教について詳しくないのですが、この童話には法華経の神髄が説かれていると聞きました。だからというワケではありませんが、この2人の素直な心や兄弟愛に胸打たれ、読む度に涙が出ます。
 宮沢賢治記念館に何年も前に一度行きましたが、「ひかりの素足」のCD はありませんでした。ぜひ本場の岩手弁での語りが聞きたいです(谷脇 絵里)。

●ここに描かれた風景が切ないほどきれいだ。まるで現実のものとは思えない。目を閉じると兄弟が雪の中を歩いていく姿が浮かんでくる。そして結末もまた切ない。私は来年50歳にもなる中年だが、年甲斐もなく涙がぽろりと落ちてきてしまう。美しい景色というのは、写真の中にあるのではなく、私たちの心の中にあるのだと思う(原田 正行)。

『虔十公園林』
●虔十のキャラクター、ひいては賢治の人柄が忍ばれ、強烈に惹かれる。賢治の作品にはデクノボー思考が垣間見られるが、この作品で、デクノボーの定義・人の価値観というものが、いかに無意味で勝手なものかを教えられているような気がする。誰一人として不必要な人間、無駄な人生というものはない、といった賢治からのメッセージがこめられているような気がして、勇気づけられる作品である(ぶつ吉)。