|
中国や東南アジアを長く旅してきたんですって
|
|
ええ、幼なじみの友人が中国に勉強に行っていて、その友達と中国の南部を1カ月くらい旅行したんです。2人ともわがままなので、途中で気まずくなった頃に、やはり旅行中だったアメリカ人の姉妹と汽車の中で知り合い一緒に旅をすることになったんです。
姉妹の1人がごく自然に自分はレスビアンだと話してくれたんだけれど、そういうふうにいろんな人と出会い、「人に出会うのは面白い」と感じたことが長旅で発見したことのひとつかな。
|
|
旅行の途中で宮沢賢治の本を読んだのですか
|
|
中国から1人でタイのバンコクに行き、安宿に1カ月ぐらい滞在してからネパールに行き、またバンコクに戻ったりしたんですけど、タイの紀伊国屋で新潮文庫の作品集「ポラーノの広場」をたまたま買って持ち歩いていた。それでちょっと事故があって、2週間ばかり、1人で人と会わずに過ごさなければならない期間があって、その時にもっていた宮沢賢治を熟読したんです。
|
|
それでどう感じました
|
|
宮沢賢治というと「銀河鉄道の夜」というイメージしかなかったんですが、文庫本に入っている作品がひとつひとつ違った感じでこんないろいろな面をもった人なのかと驚きました。熟読して、自分の中のいろんなものを発見したということもあるかな。
|
|
たとえば、どんなこと
|
|
「タネリは---」でいえば、小さいタネリは森に出かけて出会うどの植物や動物にも好奇心をもつけれど、なにかドキッとするような怖さ、不安も味わうでしょ。けれど、ビクビクしながら前に進んでいってしまう。そういうところで小さい頃の自分のことを思いだした。それで自分が出会う怖いことから逃げてしまうのでなく、目を向けて向きあう方がいいのかもしれないと思うようになりました。
それから、「ガドルフの百合」も、雷雨の中の百合の花が子供たちに見えてドキッとするところが印象的でした。
|
|
中国で一緒に旅をしたアメリカ人の女性たちと、その後のやりとりはあるのですか
|
|
宮沢賢治の英語訳の文庫本を見つけて、送ったりもしましたよ。今度はニューヨークに訪ねていこうかと思っています。
|